購買データを分析することによって、売れる商品と売れない商品を把握できるようになります。分析の方法によっては、「この商品を購入する人はこの商品もセットで買うことが多い」というような購買傾向まで把握できるようになるのです。
季節や天候、時間帯など、シーズンに合わせて売れる商品が分かるようになれば、それに合わせた商品を販売し、売上アップを目指せるようになります。
顧客が購入した履歴を分析して売れている商品と選ばれない商品を把握できれば、人気のない商品の仕入れを制限したり生産をストップしたりすることができます。
在庫が発生するリスクや余分なコストを削減することも可能です。新規顧客を獲得するためのアプローチやPR方法の発見にもつながります。
購買データの分析をもとに顧客行動を把握できれば、ターゲットが求める商品ニーズがわかり、その顧客ニーズを満たした商品やサービスの開発ができるようになります。
そうすると顧客満足度が向上し、リピーターの増加やブランドイメージの向上、新規顧客の獲得につながる可能性があります。
購買データを分析することによって、どのような顧客が何を求めているかを予測できるようになり、ターゲティングの精度が向上します。よりセグメントされたターゲットに対してマーケティングを展開できるようになるので、ムダを省きメインターゲットのみに対して商品・サービスのプロモーションができるようになるのです。
ここからは、購買データを分析する際のポイントについて解説していきます。以下のポイントをおさえて、購買データを最大限に活かせるようにしましょう。
まずは、購買データを分析して何をしたいのかを明確にしましょう。小売店であればより売上につながる商品配置にしたい、常連客に購入を促したいなど、業種や提供する商品・サービスによって目的はそれぞれです。
このとき大切なのが、単に「収益を上げる」など漠然とした目的にしないことです。自社の抱える課題や必要な改善点をより深いところまで掘り下げると、データ分析がしやすくなります。
データ分析では、あらゆるデータをとにかく隅々まで集めれば良いわけではありません。店舗数や商品数、顧客数の多い会社の場合、データが多すぎて1つひとつ細部まで見ることができないからです。
先に明確にした目的に合わせてデータを絞り込むことで、最短で解決策を導けるようになります。
まずは、仮説に基づいたデータを集めて検証してみることを優先にデータを絞り込んでみましょう。
いくらデータを集めても、並んだ数字を見ているだけでは顧客の購買行動や売れる商品の傾向は見えてきません。収集した購買データをうまく活用したいなら、表やグラフにしてデータを分かりやすく工夫することが大切です。
視覚的に分かりやすくすればデータの傾向から新たな発見や解決策が見つかりやすくなります。購買データを提供するサービスの中には、自動で表やグラフに反映してくれるものもあるので活用してみると効率的です。
目的に合わせた分析方法を用いることは大切ですが、1つの分析方法だけにこだわりすぎてはいけません。「最適」とされる分析方法にばかり意識が向いてしまうと、購買データの活用という本来の目的から逸れてしまうおそれがあります。
分析方法は、データを活用するための手段にすぎない点を忘れないようにしましょう。
情報には鮮度があり、特に顧客行動や購買傾向などの情報は流動的で、常に変化しています。
いくら1つの分析結果をもとに行った施策に効果があったとしても、今後も効果を発揮し続けるとは限りません。ある程度時間が経つと、データそのものが古くなってしまいます。
購買データを活用する際は定期的に分析し直して、アップデートするようにしましょう。
購買データはもちろん重要ですが、自社の購買データだけを参考にしようとすると、取引先と交渉する際に対等な交渉ができないおそれがあります。
業態別の購買データを保有しておくことで、自社の立ち位置を詳細に把握し、他の業態におけるデータを用いながら交渉できますので、より説得力のある商談ができる可能性が高くなります。
POSデータを利用すると、顧客が求める商品・サービスを洗い出せるようになり、自社の商品やサービスがどうすれば選ばれるようになるかを把握できるようになります。
また、データから顧客の視点が分かるので、今まで気づかなかった視点から新しい商品を開発することにも役立てられるでしょう。
POSデータは、売れ筋や売れない商品を把握するにも有効です。需要がある商品とそうではない商品を見極めることで、流通計画や在庫管理に役立てることもできるようになります。季節や時間帯など、特定の条件で売れやすい商品が分かれば、適切なタイミングで売り出したりマーケティングを展開したりできるようになります。
ID-POSは、単に顧客が買った商品ではなく、誰がどんな商品をどのような条件で購入したか?を知ることができます。顧客の情報(ID)が紐づいているので、よりセグメントを狭めたマーケティング展開ができます。
例えば、POSでは「ある日・ある時間帯にAとBいう商品が買われた」ということしか分かりませんが、ID-POSなら「ある日・ある時間帯にAとBという商品を買った人が、別の日にはAとCという商品を買った」といったように、リピート購入したものや異なる組み合わせで買ったものなどが分かるようになります。
このようなデータにより、顧客の購買行動をより深く知ることができ、自社の商品を買ってもらうには、もっと来店してもらうにはどうすれば良いか、今後の施策を検討できるようになります。
成功事例に学ぶ!
POS&ID-POS分析の活用方法
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レシートデータとは、その名の通りレシート情報から得られる購買データです。いつ・誰が・何を・いくらで・どのくらい買ったか、というデータを網羅的に把握できるようになります。
このデータは、共通の流通コードを持たない生鮮食品や外食情報の顧客行動を把握するのに効果的です。また、会員のいる店舗の場合、レシートデータから属性を分けて紐づけることで、購買行動の背景や価値観などを知ることに活用できます。
ある食品メーカーでは、全国で使われているポイントカードの購買データを活用してSNSで広告を配信し、リアル店舗での購買効果を測定。このとき、3つの目的でターゲティング配信を実施しました。
その結果、過去に自社の商品を買った人だけでなく、同じカテゴリーの商品や併売の商品を買った人に対しても販売促進効果が得られると分かり、リアル店舗での売上に繋げています。