ABC分析は全ての商品の中から売上比率に応じて「A・B・C」のグループを設定して、各商品がどのグループに属するか調べることで商品開発や販売戦略へつなげていくデータ分析の手法です。ABC分析は「全体の売上の80%は、特定の20%の商品で生み出される」というパレートの法則にもとづいていて、人気商品やトレンドを調べる上で役立ちます。
多変量解析は、対象となる商品の売上や消費者の購買行動へ関連性が考えられる変数をまとめてピックアップし、複数の要素から多角的な検証や分析を行うことで、要素ごとの関連性や新しい関係性などを発見するデータ解析手法です。
多変量解析は新しい発見によって戦略の強化や見直しを助けるだけでなく、思い込みや先入観による損失の回避にも効果的です。
健康志向の高まりによって、日常的な食生活としてサラダや野菜を摂り入れる人が増えています。また、コンビニ各社や全国のスーパーなどでも定番のサラダから独自のサラダまで様々な商品を開発しており、栄養価だけでなく味や見た目、そして満足感にも配慮して工夫が続けられています。
平成後期から令和にかけて、ドレッシングや味付けに関してもオイリーで味の濃いタイプのものから、健康的で美味しさも楽しめるサラダへニーズが変化しており、特に若者や女性ユーザーの間でヘルシー感のある商品が人気を増しています。
一方、コロナ禍以降の物価高騰に伴って食料品の価格や各家庭のエンゲル係数も上昇傾向にあり、価格と量を抑えつつも満腹感を味わえるようなサラダが求められていることも重要です。
コロナ禍による世界規模の景気悪化や原油価格の高騰、さらにロシアとウクライナの戦争の影響による小麦やトウモロコシといった穀物価格の上昇などが重なった結果、日本全国でサラダを含めた食品価格の増大が進行しています。また、日本政府が2023年11月2日に閣議決定した総合経済対策でも賃金上昇が物価上昇率に追いついてなく、家計を圧迫している問題が指摘されました。
コンビニサラダはコンビニで販売されている食料品の中でも主力商品の1つであり、ランチタイムのお弁当や夕食のおかずなどにコンビニのサラダを購入する人は少なくありません。またコンビニ各社では通年の定番商品に加えて季節限定サラダやオリジナルサラダも展開していて、近年はチキンサラダなど野菜でなくヘルシーな鶏肉をベースとしたサラダも人気です。
スーパーでは野菜や果物が売られているだけでなく、惣菜コーナーで店内調理されたサラダも販売されていて、日々の家事や炊事の負担軽減に役立っています。特に、ポテトサラダのように幅広い世代で人気があるものの家で料理すると時間のかかるサラダなどは、スーパーで調理済みの惣菜サラダでまかなうといったニーズもあるでしょう。
デパ地下や人気の食料品店などでサラダを買う人もいます。デパートや専門店で販売されているサラダは、コンビニやスーパーで販売されているサラダよりも価格面でやや高い場合がある反面、野菜の産地や品質、ドレッシングの種類などにこだわりをもつものも多く、健康的な生活を送りながら満足感も得たいユーザーに需要があります。
首都圏でサラダ専門店を展開する「CRISP SALAD WORKS」では、2014年の創業以来、情報テクノロジー技術を活用したセルフレジシステムの導入とデータ収集によって、顧客の利便性を高めつつサラダのトレンドや消費者ニーズの分析にも取り組んでいます。その結果、顧客満足度の向上に成功し、リピーター客が売上の6割を占めています。