商品を消費者に向けて販売する小売業では、誰が・何を・どのように・誰に対して販売するのかという一連の流れを考え分析することが重要です。それらのマーケティング分析の中でも、ここでは「買い回り分析」について紹介・解説をします。顧客行動を分析することによりお店として次どのような手を打つべきかが見えてきます。繁盛店を目指すためにも、うまく活用していきましょう。
ここで紹介する「買い回り分析」とは、あるひとりのお客様が1日何店舗を巡り、購入した商品を分析する手法です。たとえば近所のスーパーで購入した商品とその単価、そしてその後別の薬局で購入した商品とその単価などに加え、それぞれの店舗で同時購入した商品についても分析を行います。これらを分析することで消費者の購買行動の傾向を見て取ることができるようになり、一つのお店での品揃えや、また2店舗目・3店舗目 に立ち寄られた場合のプロモーション戦略など、分析した結果をもとにさまざまな販売戦略を企画・検討できるようになります。
多くのお店ではPOSレジを導入していますので、自分の店舗で何が売れたかを把握することは容易でしょう。また、そこに顧客属性などを紐づけることによりどういったお客様がどういったモノを購入しているかまでの分析を行うことは可能です。
しかし買い回り分析をするためには「店舗をまたぐ購買データ」が必要になります。これを入手するためにはID-POSサービスを利用する必要があります。
ID-POSサービスは、相当規模の購買履歴、いわゆるビッグデータから消費者ニーズを把握することが可能なツールです。こういったサービスを提供している事業者は多くのレシート情報を消費者などから入手していて、あらゆる顧客の購買行動をデータ化して提供してくれます。自社単独での情報収集は自社が管理・把握できる範囲の情報しか分析することはできませんが、BIツールを駆使することによりたくさんのデータから分析を行うことが可能になります。最新のITツールを駆使し、ベストな販売戦略を作成しましょう。
アナログな情報集計や自社単体の情報のみでの分析にはやはり限界があります。今回紹介した買い回り分析は複数店舗にまたがっての購買行動を分析するものですので、より多くのデータを入手できなければ分析することはできません。しかし他店舗も含めたこれらの分析を行うことができれば、売り場の作り方や商品選定などお店づくりのあらゆる場面で大きく貢献するでしょう。IT技術は未だに日々発展を遂げており、どんどんと新しいことができるようになっています。ビッグデータもうまく活用しながら、店舗の改善にぜひ取り組んでください。