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アイスクリームのデータ分析

どんな分析手法がある?

RFM分析

RFM分析のREMは「最終購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「購入金額(Monetary)」の頭文字をあらわし、これら3つの指標で顧客をグループ分けする分析手法です。優良顧客や休眠顧客、新規顧客などに分類し、それぞれに対する施策の効果を可視化して改善点を見出すことができます。

クロス集計・回帰分析

単純集計では顧客満足度が高くても、年代や性別など顧客の属性によって結果にばらつきがある場合があります。クロス集計は、より条件を絞り込んでデータを収集するために、アンケート調査の質問と質問をかけ合わせてデータを集計する手法です。

回帰分析とは、店の規模や販売する商品数、価格、スタッフ数、立地など、複数の要因のうちの何が売上に影響を与えているかを分析して予測する方法です。これら2つの分析からマーケティングの改善点を見出すことができます。

TURF分析

TURF分析とは、Total(総合的な)Unduplicated(複製されていない) Reach(リーチ) and Frequency(頻度)の頭文字をとった分析手法です。なるべく多くの消費者にリーチするメディアやサービスの組み合わせを把握したり、商品の組み合わせを見つけたりするために行われます。例えば、定番のアイスクリームに加えてどんな種類を加えると、多くの消費者に購入してもらえるかを見つけることができます。

アイスクリームの市場動向

アイスクリームへの支出はコロナ禍にも巣ごもり需要から上昇傾向を示し、2022年には過去最高の水準となりました。スーパーやコンビニなどで手軽に買える、また、デザートのカテゴリとしては比較的安価な理由から幅広い世代で購入されているようです。

アイスクリームの需要は暑い時期がもっとも高いものの、地域別の支出額で見ると、気温の高い西日本よりも冬シーズンに降雪量が多く激しく冷え込む北陸地方での支出が高くなっていて、意外と冬の雪国で売れていることが分かりました。

これらから、地域ごとの好みによって需要に違いがあり、甘いものが好きなエリアでは気候や季節を問わず購入される結果となっています。

※参照元:経済産業省「アイスクリーム等の動向について」 (https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20230309hitokoto.html)

アイスクリームの種類

アイスクリームは、乳成分とその他の成分によって、以下の4つの主要なカテゴリーに分類されます。それぞれのカテゴリーには独自の製法と特徴があります。

アイスクリーム

規格: 乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上

特徴: 乳固形分と乳脂肪分が最も高く、アイスクリームの中で最もリッチでクリーミーな食感を実現しています。乳脂肪分の多さにより、より滑らかで口どけが良いのが特徴です。

製法: 原料の乳製品を高温で加熱し、一定の温度で冷却しながら撹拌します。このプロセスで空気を含ませることで、軽やかでなめらかな食感が生まれます。

風味: 高い乳脂肪分によって、濃厚で深い風味が楽しめます。フレーバーも多様で、バニラやチョコレート、フルーツなどが一般的です。

アイスミルク

規格: 乳固形分10.0%以上、うち乳脂肪分3.0%以上

特徴: 乳固形分と乳脂肪分はアイスクリームに比べて少なく、乳成分の濃度は牛乳に近いです。乳脂肪分が少ないので、比較的軽やかな口当たりとなります。植物油脂が使用されることもあります。

製法: アイスクリームと同様に、乳製品を冷却しながら撹拌することで、空気を含ませて柔らかさを保ちますが、乳脂肪分が少ないため、アイスクリームよりも軽やかな食感になります。

風味: 乳脂肪分が少ない分、アイスクリームよりも風味は控えめですが、ミルクの自然な甘さや風味が楽しめます。フルーツやナッツを加えることでバリエーションが広がります。

ラクトアイス

規格: 乳固形分3.0%以上

特徴: 乳固形分が少なく、植物油脂が使われることが多いです。乳脂肪分はアイスミルクよりもさらに低く、乳成分の濃度はかなり少ないです。

製法: 乳成分が少ないため、製造過程で空気を多く含ませることで、軽やかな食感を実現します。砂糖やシロップを使って甘さを調整し、風味を引き立てます。

風味: 乳脂肪分が少ないので、さっぱりとした甘さが特徴です。様々なフレーバーがあり、特にフルーツ系やチョコレート系が人気です。

氷菓

規格: 乳固形分はほとんど含まない

特徴: 乳成分をほとんど含まず、主に糖類や果汁を凍らせたものです。氷や水を主成分とし、乳製品の代わりに果汁や香料を使用します。

製法: 原料を凍らせるだけでなく、時にはかき混ぜることで氷の結晶を細かくし、滑らかにします。加糖やフレーバーを加えることで、様々な味わいを楽しむことができます。

風味: さっぱりとした味わいが特徴で、果汁やシロップの風味がしっかり感じられます。アイスキャンディーやかき氷などが含まれ、特に暑い季節に人気があります。

販売場所によるニーズの違い

データ分析から、アイスクリームを販売する場所によって顧客のニーズや購入条件に違いがあることが分かります。

コンビニ

コンビニでは、自分用に購入するパーソナルアイスに人気が集中しています。コンビニ限定のフレーバーや企業のコラボ商品など、新しい種類やトレンドのアイスがいち早く並ぶため若い世代や女性に人気です。最近では、コンビニ各社のプライベートブランドがオリジナル商品開発に注力しており、気軽にプレミアム感のあるアイスを楽しめるようになっています。

専門店

アイスクリーム専門店では、毎月新作のフレーバーを発売するなどの独自の戦略が展開されています。テイクアウト商品の認知度を高めるためにケーキ型のアイスクリームやバラエティパックなどの商品開発に力を入れています。子供と一緒にアイスクリームを選びたい、一緒に色んな味を楽しみたいといったニーズを見据え、ファミリー層の獲得に向けてマーケティングが行われています。

スーパー

アイスクリームの購入場所としてトップになっているのがスーパーです。夕食後のリラックスタイムなどに家族で楽しむために購入される傾向にあり、箱型のファミリーアイスに人気があります。ファミリーアイスはロングセラー商品も多く、商品名を聞けば思い浮かぶような商品ばかりです。幅広い年代層で購入されていて、リピ―ト率も高い特徴があります。

ドラッグストア

店舗の規模にもよりますが、ドラッグストアでもアイスクリーム用の冷凍ケースを設置している店舗は珍しくありません。ただし、商品の種類や数はスーパーやコンビニよりも少なくなっていることが一般的であり、アイスクリームを目的として訪れる顧客を狙うというより、買い物ついでにアイスクリームも欲しいといったニーズへ応えています。

データ分析の活用事例

ロッテ(菓子・アイスクリームメーカー)

ロッテは、アイスクリームの製造温度や製造機器の振動、圧力など、商品の仕上がりに関わるデータを設備から収集してデータ化し、診断ツールを使って、異常が見られた時には現場の機械を停止するなど、生産ライン全体のプロセスのデータを収集・分析して品質・稼働率の向上に役立てています。

※引用元:【PDF】埼玉県「製造現場データの見える化・分析への挑戦 LOTTE(※資料:三菱電機)」 (https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/25640/lotte.pdf

B-R サーティワン アイスクリーム(アイスクリーム製造販売)

アイスクリームの製造販売を行うサーティーワンアイスクリームでは、これまで商品の生産管理や在庫管理に外部のデータ分析サービスを利用していましたが、業務の内製化に加えてAIによるデータ分析を導入しました。AIのアルゴリズムを利用してデータ予測の誤差を改善したことに加え、外部委託費の削減にも成功しています。

※引用元:株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング「AIデータ解析サービス【AMATERAS RAY】を触ってみた」 (https://rpa.bigtreetc.com/column/amateras-ray/

ヒット商品で売上拡大を目指す!
コンビニへ商品を卸す
NB食品メーカー

IDレシートBIツール
フェリカネットワークス
「IDレシートBIツール」公式サイト画面キャプチャ
引用元HP:「IDレシートBIツール」
公式サイト(https://receiptreward.jp/solution/)
おすすめの理由
  • 大手コンビニ3社(セブンイレブン/21,592店舗、ファミリーマート/16,259店舗、ローソン/14,643店舗)の顧客データを分析し、売れ筋商品や不人気商品を特定。人気商品の特徴を基に、新商品の開発や既存商品の改良を実施できる。
  • JANコードのない商品の分析ができるため、主要外食400チェーンのデータも網羅。それにより、消費者の嗜好とトレンドを取り入れた商品開発を検討できる

分析データの活用例を見る

商品改良や適切な売値で利益UP!
スーパーへ商品を卸す
PB食品メーカー

real shopper SM
ショッパーインサイト
「real shopper SM」公式サイト画面キャプチャ
引用元:「real shopper SM」
公式サイト(https://shopperinsight.co.jp/service/)
おすすめの理由
  • 複数のスーパーの生鮮食品や惣菜を含むID-POSデータを横断的に確認し、地域ごとに異なる消費者のニーズを把握。嗜好や購買パターンを理解し、商品改良につなげられる
  • 自社ブランドの値引き額、値引き率での売上変化や購入者の質を分析し、適切な価格を探索できる。それによって売上と利益を最大化。

分析データの活用例を見る

継続顧客の割合を増やす商品開発!
ドラッグストアへ商品を卸す
化粧品メーカー

SOO Dashboard
Segment of One & Only
「SOO Dashboard」公式サイト画面キャプチャ
引用元:SOO Dashboard
公式サイト(https://www.segone.jp/soo-dashboard)
おすすめの理由
  • 1,300店舗のドラッグストアの購買データから、ブランド構造分析でブランドの新規購入、継続購入、離反の割合を確認でき、継続顧客を増やすための戦略を立案できる。
  • ドラッグストアに特化したID-POSデータ分析。年齢、性別、購買頻度別の売上データから顧客セグメントごとの嗜好を把握できる。

分析データの活用例を見る

※セブンイレブンの店舗数(国内):2024年7月末時点
※ファミリーパートの店舗数(国内):2024年7月末時点
※ローソンの店舗数(国内):2024年2月末時点

レシートを活用した購買行動データ分析とは?