トライアル・リピート分析は、商品を購入した顧客がまた同一商品を購入するリピート率を算出することで新商品の定着度を測るなど、消費者の行動を意識した分析を行う手法です。1回目のトライアル客、2回目以降のリピート客の推移を分析できます。
トライアル・リピート分析を行うにあたっては、まず対象となる商品の購入者数(=トライアル)を集めましょう。そしてその次に、期間中において2回以上購入した数(=リピート)を求めて、リピート÷トライアル×100%の計算でリピート率を算出します。さらに店全体の来客1000人あたりの買上率を示す指標である金額PIも並べておくとより分析しやすくなるでしょう。
トライアル・リピート分析はデータの集計だけでなく、マトリックスを作ることで進められます。具体的にはトライアルを横軸、リピートを縦軸にして表を作ります。この際、金額PIをバルーンの大きさで表すとバブルチャートでビジュアル化することが可能です。さらにこのバブルチャートに加え、それぞれの平均値を現した線を引くなどすると左上・左下・右上・右下の4つの象限に分割することができます。
作成したマトリックスについて、4つの象限は右上が「トライアルもリピートも多い商品」右下が「トライアルは多いけどリピートが少ない商品」左上が「トライアルは少ないがリピートは多い商品」左下が「トライアルもリピートも少ない商品」と理解することが可能です。このように分けて分析を行うことで、必須の品ぞろえ品や売れ筋商品、見直しが必要な商品、販促貢献商品などそれぞれの性質に応じた対応方向性を検討することができます。
このトライアル・リピート分析の良さとしては、従来のABC分析で情報として落とされていたリピートや客数といった概念を拾い上げることができますので、従来であれば切ってしまっていた高リピート商品などを把握してよりよい売り場づくりを目指すことができます。
トライアルとしての貢献やリピートへの貢献度をそれぞれ可視化できる分析手法であり、分析結果はさまざまな場面で応用することができます。小売店などが自店の分析として行うのはもちろんですが、メーカーや卸売業者などが得意先に対して分かりやすい形でデータをまとめて示すことで、短い商談時間の中でよりよいプレゼンテーションを行うことができるようになるでしょう。
トライアル・リピート分析を行うためには商品の販売データや顧客の購買回数といったあらゆるデータを収集する必要があります。ID-POSシステムを使用することで分析に必要な各種データは一通り集めることができますので、まだ利用されていない店舗は検討してみてはいかがでしょうか。