トレンド分析とは、アンケート調査やSNS調査、問い合わせ履歴などから、商品の評価や商品・カテゴリに対するニーズ、市場動向を分析することです。
例えば、コンビニのスイーツに対するアンケート調査で、顧客がスイーツを買いたいと思うときや実際に購入するスイーツの種類、買う頻度などを分析することによって、今のトレンドを把握できます。また、エリアごとに細分化して分析することによって、その地域独自のトレンドや嗜好に関する消費者の意識を知ることもできます。
レシートデータ分析とは、顧客のレシートの購入履歴から人気やトレンドを把握したり顧客ニーズを推測したりする方法です。レシートデータ分析は、POSやID-POSデータを使って行われます。
レシートの購入データから人気スイーツの分析ができるのはもちろん、POSデータには顧客の年齢層や性別、購入した時間帯などの情報も記録されていますので、ターゲットニーズに沿った商品開発や広告戦略の策定、適切な在庫・仕入計画などにも活用できます。
SNS分析とは、InstagramやXなど、ユーザーの投稿からデータを分析する手法です。SNS特有のハッシュタグを調査することで、スイーツのトレンド傾向や好まれる味、見た目など、話題になっている理由を探ることができます。
例えば、「#コンビニスイーツ」やコンビニ名のハッシュタグの投稿数からは、人気のコンビニスイーツや新商品の話題性の高さなどを把握できます。
果物を使ったケーキやクリームを使ったシュー菓子といったスイーツは、生菓子として分類されます。生菓子はコンビニスイーツの中でも特に人気の定番アイテムであり、季節限定の商品など新商品や新戦略によって次々に新しいものが展開されることが特徴です。
反面、消費期限が短く、温度管理など丁寧な取り扱いが求められます。
フレッシュなフルーツやクリームを使っていないパウンドケーキやカステラのような焼き菓子は、生菓子よりも消費期限を長く保てるため半生菓子として分類されます。
半生菓子には洋菓子や和菓子による種類分けもあり、保存についても団子や羊羹のように常温陳列が可能というものもあります。
キャンディー類やチョコレート類、ビスケットなどある程度の長期保存が可能になっているスイーツです。保存形態や陳列についても常温管理が可能であり、商品によっては商品が逆さになっても型崩れなどの心配が少ない利点もあります。
一般的にお菓子コーナーで販売されているような商品は大半が干菓子です。
新型コロナ流行時、スイーツ市場は外出自粛や行動制限によるストレス解消や癒しとしてのニーズが増え、いわゆる「巣ごもり特需」と呼ばれる状態が続いていました。行動制限解除以降はコロナ禍の特需は見られなかったものの、休業・営業時間短縮が続いた百貨店や製造小売系の和菓子・洋菓子のニーズが回復傾向にあります。
コロナ明け以降もストレス解消や癒やしを求めるニーズは依然としてスイーツに向けられており、コンビニやスーパーなどでの売れ行きは好調です。さらに、「プチ贅沢」としてスイーツを楽しむ顧客層が増えていて、単価の高い商品の売れ行きが好調です。
スイーツのデータ分析を行うと、購入される場所によって顧客が重視する条件に大きな違いがあることが分かります。
スイーツを買う場所として多いのがスーパーです。購入されている理由に「安くて美味しいスイーツが手に入る」「自宅でスイーツを食べるため」が多く、スイーツの種類はシュークリームやプリンが上位を占めています。
スーパーに次いで多くのスイーツが買われているのがコンビニです。コンビニ利用者の4割超がスイーツを購入していて、男性も多く購入しているという結果が出ています。
スイーツを購入する男性の顧客層の多くが夜の時間帯にスイーツを食べていて、スーパーが閉まった後や夜中にも購入できる点でコンビニが選ばれています。
洋菓子店や百貨店などの専門店でスイーツを購入する層は、子供のいる家庭や既婚者の割合が多いのが特徴です。専門店の顧客ニーズは、自分だけで食べるのではなく家族でスイーツを楽しむという傾向にあります。
コンビニやスーパーで売っているような包装や容器から直接口にするワンハンドのスイーツよりも、お皿に出して食べるような家族利用を想起する商品が人気です。
スイーツのデータ分析を行うと、消費者がスイーツを購入する店舗のうち、今や半分以上をスーパーやコンビニが占めていると分かります。
コンビニエンスストアを利用している人のうちの約4割がスイーツを購入しており、スイーツメインで来店する層も多いという調査結果も報告されていて、スイーツはスーパー・コンビニの来店頻度や購入点数の増減に大きく影響を与える商品といえるでしょう。
データ分析によって売れるスイーツや話題のスイーツを開発できれば顧客数アップが期待できますし、人気商品の仕入や適切な在庫管理によっては大きな売上増にも繋がります。
チルドスイーツを中心に取り扱うスイーツメーカーのロピアでは、コロナ禍によって人々のライフスタイルやスイーツに対する需要が変化したことから、コンビニやスーパーなどで集計されたPOSデータを活用し、週次データや日次データといった短期間での比較結果と分析内容を新商品開発やプロモーション戦略へ反映しています。
年齢や性別、ライフスタイルを問わずに多くのニーズがあり、様々な場所で購入できるスイーツは、スーパーやコンビニ各社が力を入れている分野であり、専門店の競争も激しい大規模な市場です。
そのため、単に新しい商品を作るだけではヒットに結びつけることはできません。「どんな場所で」「どのような人に」「どんなスイーツが」売れるかを把握した上で、商品開発を検討していく必要があります。顧客増や売上アップに繋げたいと考えているのでしたら、事前にデータ分析を行い、売れるスイーツとは何かを探索することからはじめましょう。