3C分析とは「市場・顧客(Customer)」「自社(Company)」「競合他社(Competitor)」の3つの頭文字を取った言葉で、3つの視点から市場を分析するためのフレームワークです。3C分析を行うと、市場における自社の強みや弱み、競合の戦略や市場シェア、顧客の消費行動パターンなど、さまざまな視点から自社の現状を把握することで、市場での戦略策定に繋げることができます。
STP分析とはアメリカの経営学者・フィリップ・コトラー氏によって提唱されたマーケティング戦略におけるフレームワークです。STPは「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」のそれぞれの頭文字をあらわしています。顧客やニーズを整理し、他社との差別化ポイントを見つけるのに役立ちます。
バスケット分析とは1つの「商品カゴ(バスケット)」に入っている商品を比較することで、化粧品など特定の商品と同時に購入されている商品を調べる、といった商品同士の関係性や顧客属性との関連性などを分析する手法です。
例えばメンズ化粧品として整髪剤や制汗剤などと一緒にオーラルケア商品や下着が購入されていれば、そのエリアや店舗では地方出張や急な宿泊が生じやすい会社員などが顧客になっているかもしれません。
化粧品と一口に言ってもその種類や用途は多種多様であり、そもそも女性向け化粧品、男性向け化粧品、さらに性別や年齢を問わずに需要を期待できる化粧品など色々なものがあります。
化粧水や乳液、洗顔剤やシェービング剤など肌をケアするための化粧品の総称です。女性や男性をターゲットにしているものから、性別を問わずに使えるものまで様々です。
化粧下地やファンデーション、口紅、アイメイクなど化粧を目的としたコスメが該当します。また、つけまつげなどのアイテムも同ジャンルです。
ベースコートやトップコートといったネイルケアアイテムの他にも、ネイルオイルやキューティクルクリーム、爪やすりといった爪の手入れや化粧に関する商品です。
紫外線による肌へのダメージを軽減・防止するための商品であり、スキンケアの一種として扱われることもあります。
制汗剤や整髪剤、歯みがきなど体の各所をケアする化粧品が色々と用意されています。
フレグランスや入浴剤など様々な商品が化粧品として扱われます。
化粧品市場はコロナ以前からインバウンド需要を獲得して安定していましたが、2020年のコロナ禍には約2兆円も減少してしまいました。コロナが明けて以降、ドラッグストアの売上は回復してきているものの、化粧品専門店や百貨店は依然として減少傾向にあります。
ただ、通販ではコロナ禍においても需要が増え続けて市場は伸び続けており、コロナ流行をきっかけに市場は大きく二分された形となりました。
また、化粧品購入時の情報源として、SNSを挙げる人が多くなってきています。特に20~30代の半数以上が購入の決め手としてSNSと答えており、通販市場の増加要因としてSNSの台頭による情報源の変化も起因していると分かります。
化粧品のデータ分析を行うと、販売場所によって顧客のニーズや購入条件に違いがあることが分かります。
これまで、コンビニで購入される化粧品のニーズは「緊急時」が大多数でした。そのため、急なお泊りや旅行時に求められるメイク落としや洗顔料、化粧水などの基礎的なスキンケアアイテムが定番となっていたのです。
そこでコンビニ各社は「コンビニでしか買えないコスメ」の開発に注力し、「緊急で仕方なく買う」ではなく、「限定品を使ってみたい」という能動的な顧客層の獲得を目指して展開して、ヒット商品を生み出しています。
デパートや専門店では、高級ブランドのコスメや実際に顔につけて肌の色を試せるファンデーションやリップが購入されています。カウンターで美容部員のカウンセリングを受けながらアドバイスをもらえるほか、最近では肌の測定器を使って科学的なデータをもとに色選びができるようになっています。
高級品なだけに「失敗したくない」と考える人が買い求める傾向にあるようです。
ドラッグストアでは、値段を気にせずに普段使いできる、手頃な価格設定の化粧品にニーズがあります。洗顔料や化粧水の他、顔でなくても手の甲で色を確かめられる、アイシャドウやリップなども人気です。
通販では、一度購入して使ってみたことのある化粧品を少しでも安く手に入れたい、定期購入でお得に購入したいというニーズがあります。また、SNSなどで「話題のコスメ」として紹介されている通販専用の商品を、その場で気になりネットで購入する方も多いようです。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、日本を含めて世界各国で生活様式や社会形態のリモート化が一気に加速し、商品の購入など経済的な分野に関しても様々な場面でデジタル化が進められています。
そのためかつてはドラッグストアやデパート、コンビニで化粧品を購入していた人でも、ECサイトや各メーカーのオンラインショッピングを利用して化粧品を買うことが増えています。またメイク方法なども動画サイトやSNSで学習している人も多いということは重要です。
昭和や平成の頃は「化粧品=女性向けのアイテム」という認識も一般的と言えたかも知れません。しかし令和の現代では性別を問わず美容意識や健康意識を高く持っている人が増えていて、必然的にメンズ用化粧品の市場も拡大しています。
多様なライフスタイルが尊重されてきたことに加えて、そもそも化粧品といっても実際にはコスメグッズだけでなく、制汗剤や整髪剤といった身だしなみに役立つアイテムも存在していて、第一印象を良くしようと考えたり、汗の臭いなどで他人に不快な思いをさせないように努めたりと、色々な配慮やニーズにマッチする商品が展開されています。
化粧品には通年の需要が見込めるものと、夏場など季節や時期によって大きく需要の変化するものと、それぞれ種類が存在します。
例えば梅雨や夏の暑い時期は汗をかきやすくなり、汗の臭いなどの体臭が気になる季節です。然的に制汗スプレーやデオドラント商品、汗吸収シートといった化粧品や雑貨に対してのニーズも高まりやすくなります。
一方、乾燥しやすいシーズンである冬にはリップクリームやハンドクリームといったスキンケア商品の需要が高まります。
それぞれの季節においてどのような商品の売れ行きが伸びるのか、あるいは売上が減るのかといったデータを分析することで、季節商品の企画戦略やシーズンごとの販売戦略などを具体的に検討していくことができます。
ECをメインに化粧品販売を行っていたNOINは、データ分析を活用してオリジナルブランドを開発しました。
コロナ禍の女性のメイクアップ事情に関するデータからアイシャドウやアイブロウなどの「目元に絞った商品」を企画し、ファミリーマート限定で販売を行いました。トレンドを押さえた色使いと手頃な価格、商品の小ぶりさが消費者の「少しだけ試してみたい」というニーズを取り込み、発売から3カ月で30万本のヒットを生み出しています。