ペルソナ分析とは？手順や設定項目について

ペルソナ分析とは

なぜペルソナが必要か

ペルソナを設定することで、自社がアプローチしていく顧客像を明確にしていきます。

顧客の視点で商品やサービスを開発しやすくなるのはもちろん、売り出そうとしている商品やサービスを利用するユーザーに合わせられるので、マーケティングも行いやすくなります。

また、設定したペルソナを基準に自社の顧客に適した商品開発や販売戦略、PRなどを展開できるので、プロジェクトを成功に導きやすくなるでしょう。

ペルソナとターゲットの違いは？

どちらもユーザー像を設定する時に用いられますが、ペルソナはターゲットよりも具体的にイメージされた架空の人物像になります。

ペルソナは理想的な顧客像を描いているのに対して、ターゲットは実在する集団の属性を設定したものです。ターゲットは市場に対して需要の高いグループを特定するために用いられ、ペルソナは仮想の人物像を設定することで、より良い商品やサービスの開発に役立ちます。

ペルソナ分析のメリット・デメリット

ペルソナ分析のメリット

プロジェクトの効率化につながる

• アプローチすべき顧客層が明確になり、限られた期間の中でも質の高いマーケティングを行うことができる。
• 多くの関係者が携わっていても認識のずれが生じにくくなるので、共通のイメージを持ったままスムーズに進行しやすい。
• 具体的な顧客像があることで判断基準となる指標ができるので、部門間の連携も取りやすくなる。

関心を持ちやすい商品やサービスを提供しやすい

• 顧客のニーズを詳しく把握できるので、商品やサービスの企画から販売まで一貫したマーケティング戦略を立てられる。
• 特定の顧客を狙ったサービスや商品開発が行えるので、ユーザーの需要に応えられる商品やサービスが生まれやすい。
• ターゲットを絞ったセールスが行いやすくなるので、対象となる客層にインパクトを与えることができる。

ペルソナ分析のデメリット

時間やコストがかかってしまう

• 収集するデータの内容次第でペルソナ像が変わるので、ペルソナ設定を見誤らないためには多くの時間を要する。
• 正確なデータを分析するには膨大なデータが必要となるので、外部の専門業者などに調査依頼しなければならない。
• ペルソナはトレンドや市場の変化と共にアップデートする必要があり、運用していくためには手間がかかってしまう。

ターゲット層以外に訴求しにくい

• 商品やサービスを訴求する客層を限定することになるので、対象外となるユーザーに対してアプローチしにくい。
• 幅広い顧客にPRしていきたいケースには不向きな戦略となることを踏まえた上で導入することが大事。
• 最初に設定したペルソナ像が現実離れしたものだと、想定したニーズや成果が見込めない場合もある。

ペルソナ設定に必要な項目

設定項目は多岐にわたる

ID-POSデータやID付きのレシートデータ等で情報を収集しながら、共通する特徴をピックアップします。ペルソナにする年齢や性別、職業や地域などの属性を絞り込みながら、細かな人物像を描いていくことで、商品やサービスを利用するユーザーの多数を占める客層を設定します。

ペルソナ像を理解しやすくするために、テキストの他にも写真やイラストなどのビジュアルイメージを作成すると、関係者同士がイメージを共有しやすくなりますので円滑にプロジェクトを進めやすくなるでしょう。

• 顔写真
• 名前
• 性別
• 年齢
• 家族構成
• 学歴
• 職業・役職
• 仕事内容
• 年収・貯蓄状況
• 生活パターン
• 趣味嗜好
• 消費行動
• 現状の悩み
• 将来の目標

ペルソナのシナリオを作る

設定した項目に基づいてペルソナのストーリーを作成しておくと、感情移入がしやすくなり現実として捉えやすく、共感性も高まるので効果的です。

なぜ（理由）、どのようにして（手段）、購入・利用することになったのか（意思決定）を明確にし、オリジナルのシナリオを作成することで、ペルソナが実在に近い存在であるかを俯瞰してチェックすることができます。

ペルソナ分析の手順

人物像を決めるのは情報量

偏った情報にならないように、自社のユーザー情報の他にアンケートやインタビューをはじめ、SNSやWEBなど多様な方法で情報を集めましょう。

リアルなペルソナを作り上げるためには人に紐づくデータを分析し、属性を絞り込みながらペルソナ分析に必要な情報を整理していきます。集めた情報はカテゴリー別に分類するなどして、注目すべき項目と必要のない項目を明確にしておくといいでしょう。

ペルソナ分析の注意点

「思い込み」には注意が必要

架空の人物像だからといって、先入観や憶測はNG。勝手なイメージだけで作り上げないようにすることが大切です。

また、根拠のないペルソナ設定をしてしまうとマーケティングも成功しにくく、思ったような成果を出せなくなってしまいますので要注意です。都合よく解釈せずに、実際に商品やサービスを利用する顧客とかけ離れた人物像にならないように設定するようにしましょう。

目的を明確にする

顧客の興味や関心、行動パターンなどを深く理解していくためには、分析を行う目的を定めておくことが重要です。

ペルソナを作成する目的がはっきりしていないと、設定が曖昧になってしまうので、ペルソナ分析の成果が得られない場合もあります。はじめに目的を定めておくと、ターゲットとなる顧客に関する情報も集めやすくなるでしょう。

関係者が納得しやすい人物をつくる

抽象的な人物像や非現実的な人物像になってしまうと、関係者全員が共通のイメージを持ちにくくなってしまいます。

そのため、ペルソナは実在する人物のように、プロジェクトに関わる全員が正確にイメージを共有できるようにしておきましょう。ペルソナは、提供する商品やサービスのイメージにマッチした一般的な人物像に仕上げることが大切です。

まとめ

情報収集がペルソナ分析を成功させる秘訣！

ID-POSデータやID付きのレシートデータを活用し、大量の情報を分析することでペルソナの精度が高まります。

また、ペルソナ分析を効率的に行うためには、自社の顧客に関する購買行動について把握できるツールを導入しておくことが肝心。多くの関係者でプロジェクトを進めて行く場合は、「ペルソナ」があることで共通認識が持ちやすくなり、無駄な業務や作業を省くことができるでしょう。