データを活用すれば、その店舗の売れ筋はもちろん、近隣エリアや時間帯、曜日など、特定の条件下によって変わる商品の売れ筋を把握できるようになります。
購入された商品や購入時刻、購入店舗、商品ごとの価格や個数などの購買データを活用すれば、その店舗の売れ筋を把握できるようになります。
また、地域や時間帯、天候など、他の情報と購買データを組み合わせることによって「どんなときにどの商品が売れやすいか」といった精度の高い売れ筋予測を立てられます。
その店舗だけでなく、近隣店舗のデータを集約して傾向を分析することができれば、該当エリアや地域での売れ筋予測が可能になります。
全体の傾向とエリアごとの傾向を分析すれば、店舗ごとの納品数を決めやすくなりますし、購買データによってエリア特定の購買傾向が分かれば、売り出し方を決めるのにも有効です。
例えば、住宅地の店舗を中心にまとめ買いの需要が見えれば、「まとめ買いがお得」といった販売方法を展開できるようになります。
売れ筋の商品と売れ行きの良くない「死筋」の商品を把握できますので、納品数の調整がしやすくなります。データをリアルタイムで把握できれば売れ筋商品の在庫不足にも対応できるため、品切れの前に商品を補充できるでしょう。
また、具体的にどんな季節や天候、時間帯に欠品が発生しやすいかを把握できるようになりますので、適切な納品計画を立てられるようになります。
データ活用は、コンビニで問題となっている過剰仕入れによる食品廃棄ロスを防ぐのにも効果的です。
商品の納品数と販売数を比較して廃棄率を検証すれば、仕入れ調整によって食品廃棄ロス削減に役立ちます。
また、食品が売れやすい曜日や時間帯など特定の条件下での販売個数を把握できれば、時間帯などで納品数を調整できるようになり、廃棄ロスを削減できます。
売れ筋が分かれば、商品開発はもちろん、在庫管理や仕入計画にも役立つため、コンビニでは1980年代からPOSによるデータ収集・分析が取り入れられてきました。
ここでは、大手コンビニのローソンとセブンイレブンが売れ筋を把握するのにデータを活用している事例についてご紹介します。
ローソンは、POSデータによる顧客データの収集と合わせて、インストア分析を実施しています。インストア分析によって、顧客が入店してから購入、退店するまでの店舗内での顧客の行動を分析し、属性別での売れ筋を把握できるようになりました。
顧客の動線や陳列棚のモニタリングを組み合わせ、入店率や棚前の通過率、立ち寄り率、手つかみ率、購入率と、それぞれのステップで確率を高める施策を考え、実際に商品購入率を高めています。
POSデータだけでは、購買に至った経緯や本来のニーズといった行動の実態までを把握することはできませんでしたが、インストア分析との組み合わせによってデータの精度を高めています。
セブンイレブンは、異なるベンダーが複数のシステムを開発していたことが原因で、せっかくのデータが孤立・散在してしまい上手く活用できない課題を抱えていました。
そこで、Google Cloud上に独自のビッグデータ活用基盤「セブンセントラル」を開発しました。全国約21,000店のPOSデータをはじめとする膨大なデータをクラウド上に集約できるようになり、リアルタイムなデータ分析や活用がなされています。
セブンセントラルの活用によって、目まぐるしく変化する顧客ニーズや市場動向を客観的なエビデンスに基づいて把握できるようになりました。高い精度で需要予測を立て、売上向上につながる販売戦略の立案に繋げています。
コンビニの売れ筋を知るために購買データを活用したいと考えているのであれば、購買データの検索・分析を担ってくれるツールを導入するのも一つの手です。
既存業務の改善に繋がると同時に、より高い精度で自社の製品開発やサービス拡充に活かせるようになります。