コンビニをはじめ、スーパーやアパレルなどの多くの販売業で導入されているシステムです。
POSとは「Point Of Sales」の略で、日本語では「販売時点」という意味があります。つまり、レジで商品を販売した時点でいつ・どの店舗で・どんな商品を・どんな人が購入したか、というデータが収集できます。POSのデータを収集・分析すれば、どの商品が売れ筋か、どの時間帯に客足が増えるか、といったことを把握できるようになります。
POSによるデータ収集に加えてさまざまな企業が取り入れているのが、会員カードやポイントカード(アプリ)による顧客データ収集です。
会員カードに入会してもらうことによって、会員の顧客がどの商品をどんな頻度で購入するか、リピート率を知ることができます。会員登録が必要なポイントカードでは、年齢や家族構成、学生か社会人かなど、購入者の詳細なデータ収集ができます。それにより年齢や性別などのターゲットに合わせたマーケティングの立案に役立ちます。
クレジットカード・キャッシュレス決済では、利用時の購入者データを入手することができます。決済番号と取引日時や金額を紐づけて、顧客の購入額やリピート率などを知ることができます。
また、クレジットカードやキャッシュレス決済をよく利用する層や購買傾向を知ることで、興味を持ちそうなクーポンの選定やレシート広告など、ターゲットに合わせた販売戦略にも役立ちます。
コンビニ各社は、InstagramやX(旧Twitter)といったSNSからのデータ収集にも力を入れています。SNSでは、誰もが気軽に意見や情報を発信できるため、商品の反響や実際のレビューといった情報をリアルタイムに収集できます。
しかも、アンケート調査とは異なり率直な意見が投稿されることが多いため、消費者の本音を知るために有効です。
トレンド情報から自社に関する情報だけでなく、世の中の動向やニーズ変化を読み取ることもでき、商品開発や今後のマーケティング戦略に活用することもできるようになります。
収集した販売データを、分かりやすい形に加工する分析方法です。POSレジによって販売データを収集し、そこから指定の商品の販売個数を算出して、実際の販売個数と売上目標を棒グラフで表します。目標と現実の差をひと目で比較できるようにすることで、現状を把握して今後の販売戦略に活かす方法です。
販売データを数字だけでなく、棒グラフや折れ線グラフなどで「見える化」することで、販促や仕入計画などの適切な判断ができるようになります。
収集したデータを、A・B・Cの3つに分けて分析する方法です。複数の商品の販売データから、人気商品のカテゴリを見分ける際などに使います。
例えばコンビニでは、お弁当・パン・デザートなどのカテゴリに分けて、売上が高い順からA・B・Cと分類していきます。すると、売上を占める「A」のカテゴリがその店舗の人気商品だと把握できます。
分析後は、人気商品の在庫を切らさないように工夫する、さらに売れ行きを伸ばすために陳列する種類を増やすなど、適切な仕入計画を立てられるようになります。
コンビニをはじめとした多くの販売業では、これまでPOSレジやポイントカード、クレジットカードなどから顧客データを収集していました。
ただ、これら従来のデータ収集の場合、店舗ごとのデータを集めることはできてもエリアごとのニーズを捉えるには十分ではありません。
そこで注目されているのが、個人に紐づいたID-POSです。ID-POSを使えば、一人の顧客の複数の店舗にまたがる購買行動を把握でき、より広域で多角的な経営に役立てられるようになります。