収納用品のデータ分析

どんな分析手法がある？

購買データ分析

購買データ分析とは消費者や購入者の購買行動をデータとして収集し、それぞれの情報を多角的に分析していくデータ分析の手法です。

収集する情報の内容は多種多様で、顧客の性別や年齢層、購入商品の種類や金額など色々なデータを集められます。これらの購買データはPOSシステムと連携させることで販売傾向や顧客ニーズの解析に使えるうえ、在庫管理や受発注業務の効率化にも役立ちます。

ロジスティック回帰分析

対象の結果として2つの値（目的変数）を設定し、いくつかの要因からそれぞれの結果が導かれる確率を予測したりその理由を推察したりするデータ分析手法です。

例えば顧客が任意の商品を「買う・買わない」という2つの結果があると仮定して、どのような条件（要因）が存在すれば「買う」という結果が導かれ、どのような要因で「買わない」という結果が導かれるのか、多角的に検証します。前者の確率を高める要因が判明すれば、販売戦略に組み込むことができます。

収納用品とは

収納用品や収納グッズは一般的に整理整頓や片付けなどに利用されるアイテムを指しており、例えば収納棚やボックスケース、小物を吊り下げるためのハンガーフック、衣類や布団などを圧縮収納するための収納袋など、さまざまなサイズや形態で展開されています。

そのため収納用品といっても実際には目的や用途に応じて様々な商品が存在し、季節用品のような季節需要の影響を受けやすいものから通年での販売が見込めるものまで、ニーズの変化が起こりやすいアイテムもあります。

衣類収納・布団収納

衣装ケースや布団収納、圧縮袋、さらにはハンガーフックなど色々な収納用品が考えられます。特に冬から春にかけては冬物衣類や羽毛布団など厚めのアイテムを収納するために布団収納や圧縮袋の需要が高まったり、新社会人や新入生などが新生活を始める春先には引っ越し用の衣装ケースが売れたり。販売予想が立てやすいアイテムといえます。

オフィス収納・事業用品

家庭で使う収納用品の他にも、オフィスで書類や資料をまとめるための収納用品として、ファイルボックスやファイルケースの利用が定番です。

またそれぞれの業種・業態によってかさばる道具をしまうためのケースを必要としたり、店舗で顧客の衣類を管理したり使用済み衣類を集めたりするための収納ケースが用意されたりと用途が違うため、固定するタイプと持ち運びができるタイプが展開されています。

素材やデザインで選ぶ場合も

収納用品は収納量やサイズの他にも、インテリアとして素材やデザインを重視して選ばれることもあり、顧客によって色々なニーズが細分化していることも知っておきましょう。

収納用品の市場動向

収納用品は生活するうえで少なからず必要になるものであり、さらに荷物の多い人や衣類の多い人、その他にも趣味のアイテムや生活雑貨を集めている人などは、種類や物量に応じて収納用品が必要です。

限られた室内空間で居住スペースを確保するために、デッドスペースを有効活用できる収納用品や収納アイデアが人気です。また、コロナ禍をきっかけにリモートワークやテレワークといった働き方も広がっていて、オフィスでなく在宅勤務で働くスタイルも増えたことで、自宅にもオフィス収納を目的とした商品をそろえる人も増加傾向にあるようです。

一方、個人だけでなく法人においても収納ニーズは多様化していて、2022年度の収納サービス需要が前年より高まるなど、事業所や倉庫を減らしてレンタル収納やコンテナ収納を利用するケースも増えています。

※参照元：株式会社矢野経済研究所（https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3246）

販売場所・シーンによるニーズの違い

ディスカウントストア

ディスカウントストアでは手頃な価格帯の収納用品が色々と販売されている他、店舗によってはオシャレ雑貨として収納ボックスや収納ケースを販売しているところもあります。新品を購入すると高額になりそうな衣装ケースや収納棚でも、ユーズドアイテムを取り扱っているディスカウントストアであればリーズナブルな価格で買えるかもしれません。

ホームセンター

収納用品をまとめて購入しようとする場合、身近なホームセンターを探すことは多くの人にとって選択肢になりそうです。

ホームセンターでは金属製の収納用品やプラスチック製の収納用品、木製の収納用品など色々なアイテムが販売されていて、利用者が自分で組み立てて任意のサイズに調整できるようなパーツ単位の収納アイテムもあります。

総合店舗・大型スーパー

日用品や雑貨、食品などを色々と取りそろえている総合店舗や大型スーパーなどでは、ホームセンターには劣るものの、コンビニやドラッグストアよりも収納用品を色々と取りそろえている傾向にあります。

大型の収納ケースなどは限られていたとしても、普段の買い物のついでの衣類用の収納グッズや事務用品を購入する場所として便利です。

通販・サブスク

ホームセンターで大型の収納用品を購入した場合、自宅までの搬送を業者に依頼すると手間と配送までに時間がかかりがちです。最初からECサイトや家具メーカーのECショップなどを利用して、インターネット通販で収納用品を購入する人も増えています。

また事務用品では専門のカタログ通販を利用することもあります。

購入タイミングに合わせたマーケティング

収納用品は消費者のライフスタイルに大きな影響を受けるアイテムです。引っ越しや入学・入社で生活が変わりやすい春頃や、大掃除を行う機会が増える年末、また気候の変化に合わせてファッションも変化する季節の変わり目など、時期によって購入者のニーズや売れ筋商品が変わることに注意しましょう。

さらに結婚や出産などで家族の人数が増えたり実家を出て一人暮らしをしたり、あるいは自宅を新築するといった人生におけるタイミングやライフステージの変化によっても消費者ニーズは左右されます。

収納用品は消費者の暮らしや家族構成・目的によって需要が大きく変わりますので、マーケティングで集めたデータにもとづいて、購買データ分析やロジスティック回帰分析などの手法も活用し、それぞれの需要や商品との関連性を追求しながら販売戦略を構築していきましょう。