CTB分析とは顧客分析方法のひとつで、顧客ニーズを知り、マーケティングに活かしたい際に使われます。
具体的には、Category(カテゴリー)・Taste(テイスト)・Brand(ブランド)という3つの指標を使って顧客をグループ分けし、購買行動を予測する方法です。
CTB分析は、顧客の性別や年齢、国籍、家族構成、職業など、顧客の「属性」を使った分析方法です。
顧客分析の方法には、他にもセグメンテーション分析やデシル分析がありますが、セグメンテーション分析はあくまでも市場を細分化して見込み客を探るもので、デシル分析の指標となるのは購入金額です。
CTB分析はこれらとは異なり、あくまでも顧客の属性から具体的な顧客像を浮き彫りにし、購買予測を立てるために行います。
CTB分析は、属性から顧客の傾向を把握するために行います。したがって、複数商材に対して行い、購入品目と属性の関連性を明らかにすることが大切です。
そのため、複数商材を横断して分析する必要があり、単一商材には効果を発揮しません。また、同じカテゴリだけでなく、できる限り広いカテゴリで横断的に分析したほうが効果を発揮しますので、複数商材であっても同一カテゴリの商品の場合にはあまり効果を発揮できません。
CTB分析は、属性によって顧客をグループ分けしますので、特定の顧客グループの趣味嗜好の把握に効果的です。
分類した特定の顧客グループが好む商品の種類や形、ブランドなどが分かれば、その顧客層に合わせた商品開発や流通計画を立てられるようになります。
例えば、顧客の好みの傾向に合わせた季節性商品の開発や、購買予測に合わせた在庫管理などです。
顧客と商品に番号をふり、顧客情報と商品情報を入力します。その後、顧客が購買したそれぞれの商材に対してCategory、Taste、Brandを定義します。
顧客が購入した商品を可視化するために、購買履歴を入力します。顧客と商材の関係性を把握できるようになります。
顧客が購入している商品とCTBの特徴からグループ分けします。グループ分けができたら、各グループごとにより詳細な特徴を定義します。
顧客のグループ分けができたら、CTB分析の完了です。それぞれのグループに対して商品企画や流通計画など、具体的な施策に落とし込んでいきます。
CTB分析の目的は、購入金額や時期、頻度といった「数値化できる指標」とは異なる別の指標から、属性ごとの購入予測を立てることです。顧客の属性をグループ分けすることで、以下のようなことができるようになります。
属性によってグループ分けされた顧客は、異なる趣味や嗜好を持っています。同じ商品であっても、パッケージや色、デザインなど、訴求できるポイントは違ってくるでしょう。
顧客の購買行動が多様化した今、どの顧客に対しても同じアプローチをしているだけでは商品の価値を伝えられません。自社の商品が選ばれるためには、顧客の嗜好に合わせてマーケティングを展開することが大切です。
分析した顧客グループの趣味や嗜好が分かれば、どんな人にどのような商品が求められているかといった具体的な商品やサービスのニーズを予測できるようになります。
この予測をもとに、新商品の企画や開発を行ったり既存商品を改善したりできるようになるでしょう。製造の発注数や時期、在庫計画といった施策を立てるのにも有効です。
CTB分析によって、自社の購買層を明確にすることができます。自社の顧客像を分かりやすくしたのが「ペルソナ」です。ペルソナとは自社の購買層に最も近い想像上の人物で、性別や年齢、住んでいるところや職業、収入、趣味など、実在する人物のように細かく設定します。
設定したペルソナの生活や行動を想像することで、どのような状況で自社の商品を知り、手に取り、購入に至るかといったカスタマージャーニーを知ることができます。
ID-POS(顧客行動データ)を活用すると、CTB分析で取得できるデータの精度を上げ、より顧客の趣味嗜好を把握しやすくなります。個人を識別するIDに基づいて属性の振り分けができるので、分析作業に時間や手間もかかりません。
データ分析は、一つの視点だけでなく複数の分析を組み合わせることが大切です。より精度の高い分析結果を得て業務の改善に活かしたいのでしたら、ID-POSの導入を検討してはいかがでしょうか。